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ジャクソンホール会議後の各市場の反応



株式市場


8月25日の米株式相場は反発。相次ぐ連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言を消化しながら水準を切り上げた。パウエルFRB議長は追加利上げの是非について「慎重に政策を進めていく」スタンスを強調すると同時に、引き締め政策がより長期に及ぶ可能性も示唆している。

   

             終値   前営業日比   変化率

S&P500種株価指数   4405.71     29.40    0.67%

ダウ工業株30種平均 34346.90     247.48    0.73%

ナスダック総合指数 13590.65    126.68    0.94%

S&P500種株価指数は週間ベースで7月以来の大幅上昇となった。


パウエル議長はインフレ率を目標水準に下げるプロセスについて「まだ先が長い」と述べた。同時に次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では金利を据え置く可能性も示唆した。投資家も据え置きを予想している。


フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、引き締めの累積効果をシステムに浸透させるため、政策金利を現行水準に据え置くことが望ましいとの見方を示唆した。

クリーブランド連銀のメスタ-総裁はCNBCとのインタビューで、コアインフレは依然として高過ぎ、着実に2%に低下するよう政策当局は「懸命に」取り組む必要があるだろう述べた。

シカゴ連銀のグールズビー総裁は、大規模なリセッション(景気後退)を引き起こさずにインフレを低下させる「黄金の道」が見えると述べている。


モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏はエヌビディアは好決算にもかかわらず24日の米国株式相場が下げたのは、今年の上昇勢いが「尽きた」ことを示していると、指摘。今後さらなる下落が予想されるという。

「市場は良いニュースで天井に達し、悪いニュースで底入れする」とウィルソン氏。エヌビディアについて「あの会社から出たニュースとして、これ以上良いものは考えられない」と述べ、株式相場が上昇できなかったことは、「上昇勢いが尽きたことを示す、新たなテクニカル的なサインだ。これで人々が熱狂するような新しいテーマが必要になるが、それが何になるのか私には分からない」と話している。



債券市場


米国債相場は方向感が定まらない展開。10年債はほぼ変わらず。パウエル議長が必要とあれば金利を追加で引き上げる用意があると述べたことから、短期債が比較的軟調となった。


         直近値   営業日比(BP)   変化率

米30年債利回り     4.28%     -2.3      -0.53%

米10年債利回り  4.23%     -0.6      -0.14%

米2年債利回り  5.07% 5.1       1.01%

            (米東部時間 16時51分)


ウィズダムツリーの債券戦略責任者、ケビン・フラナガン氏は「パウエル議長の講演で突出していたのは、トレンドを上回る成長と労働市場への言及だった」と話す。「これまでのような雇用の数字が続けば、追加利上げという選択肢が残されている」と述べた。



為替市場


ユーロはこの日の下げ幅を縮小する展開。ラガルド欧州中央銀行(ECB)はインフレ率を目標値へ引き下げるため必要に応じて金利を高水準に設定し、必要な限りその水準に維持すると述べた。パウエル議長講演を受けてドルは続伸。対円では一時146円63銭まで上昇した。


        直近値   前営業日比   変化率

ドル/円 ¥146.44   ¥0.61   0.42%

ユーロ/ドル $1.0794    -$0.0016   -0.15%

        (米東部時間 16時51分)


INGフィナンシャル・マーケッツのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏はパウエル議長の講演後、「9月は据え置きで決まりだが、強い成長は追加利上げのドアが依然開いていることを意味する」と指摘。「市場は最終利上げがある確率を半々とみているが、当社ではピークを打った可能性が高いと考える」と述べている。


三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシニア通貨アナリスト、リー・ハードマン氏は「インフレと雇用の伸びがさらに減速するという想定の下、9月は金利が据え置かれると当社は今も予想する」と話す。「米金利市場で9月据え置きがすでに織り込まれていることから、ドルが最近の上昇軌道から外れるとは考えにくい」と述べている。


今週は月末月初が重なり、アメリカ雇用統計などの様々な経済指標の発表があることから神経質な値動きが予想されます。

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