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分散投資の基本


資産をリスク管理する上で重要な分散方法として、資産クラスの分散、国・地域の分散、通貨の分散、時間の分散があります。



資産クラスの分散

資産クラスとは、同じようなリターン(値動き)やリスク特性を持つ、投資対象となる資産グループを指します。債券や株式など、リスク特性の異なる資産クラスに分散して投資することで、長期的にリスク(収益率の変動)を抑えることができます。資金を振り分ける際の「投資対象の資産分類」で、現在、伝統的資産としては、短期金融商品、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式があり、一方でオルタナティブ資産としては、コモディティや不動産投資信託、インフラファンド、ヘッジファンド、プライベートエクイティなどがあります。一般に資産運用において、資金をどのアセットクラスにどれだけ振り分けるかによって、リターンの8~9割が決まると言われており、一方で個別銘柄の選択は、リターンの1~2割程度の影響度しかないとも言われています。

投資対象の資産分類によって、リスクを回避することができます。例えば、ある企業の株式にだけ集中して投資すると、その投資先が破綻してしまった時、株式の価値がほぼゼロになり、投資家も大きな痛手を負います。これこそ投資のリスクです。そこでリスクを回避するためには、「分散投資」が良いとされています。株式や債券などの投資対象は多種多様で、銘柄ごとの要因で常に変動をしています。リスクを抑えるためには、できるだけ「資産・銘柄の分散」を意識し異なる値動きのものを組み合わせるのが理想です。



国・地域の分散

投資を国内に限定せずに世界に分散させることで、収益を安定化させることが可能です。投資先を日本国内と海外、あるいは海外でも先進国(米国、ユーロ圏、豪州など)と新興国(東南アジア、南米など)のように、複数の地域や通貨の金融商品を組み合わせて投資先を分散することです。これにより、特定の国や地域の経済状況が悪化した場合でも、他の国や地域が好調であれば、ポートフォリオ全体の収益を安定させることができます。



通貨の分散

円、米ドル、ユーロなど様々な通貨に投資することでも分散効果が期待できます。また、為替相場の動きもさまざまで、為替相場の動向により、収益にプラスに働いたり、マイナスに働いたりします。通貨の分散方法として、外貨預金、外貨建ての投資信託や債券、保険などが挙げられます。外貨預金とは、銀行などで行える外貨建ての預金のことです。株式や債券に投資をするわけではないため、為替の変動のみがリスクとなります。一方、外貨建ての投資信託や債券などは、外貨の株式や債券、不動産などに投資をします。投資した資金が株式や債券、不動産などの値動きに影響されるため、為替の動きだけでなく、投資対象資産そのものの値動きのリスクをきちんと把握する必要があります。海外資産に投資をする投資信託には、為替ヘッジを選択できるものもあります。為替ヘッジをすれば、為替の変動を抑えられますが、為替差益を期待できなくなる点は注意が必要です。



時間の分散

投資において時間の分散をするうえで重要なことは、投資するタイミングを一度ではなく、複数回に分散させることです。これにより、特定のタイミングで高値で投資してしまうリスクを避けることができます。また、投資資金に余力を残しておけば、今後訪れるかもしれない「安く買えるチャンス」を逃さずに投資できます。たとえば毎月一定額を投資していく積立投資を実践すれば、価格が下落している局面ではたくさん、下落局面では少なく口数を買うことができます。結果として平均購入単価を下げる効果が期待できます。これをドルコスト平均法と呼び、多くの投資家が実践している手法です。

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