
8月の株式市場は、一般的に「夏枯れ相場」や「お盆の閑散相場」と呼ばれることがあります。これは、夏になるとお盆休みなどで市場参加者が減り、出来高が減少し、相場があまり動かなくなるという傾向があります。また、市場参加者が少ないと、悪材料に対して株価が顕著に反応し下げ幅は大きくなる傾向があります。
8月から9月にかけては、過去に大きな危機やショックが発生した時期でもあります。
・1971年8月:ニクソン・ショック(ドル・ショック)
米国政府が、米ドル紙幣と金の交換を停止するという内容を含む新経済政策を発表し、国際通貨体制が混乱するという大きな事態となりました。
・1998年8月:ロシア財政危機
ロシア政府が、国内債務の一部の償還延期やルーブルの切り下げを発表し、ロシア経済が破綻する危機に陥りました。
・2007年8月:パリバ・ショック
フランスの金融大手BNPパリバ傘下のファンドが、サブプライムローン関連の金融商品の市場混乱から投資家からの解約を凍結するという発表をしました。これがきっかけとなり、世界市場に大混乱が起きました。
・2015年8月:チャイナ・ショック(人民元切り下げ)
中国人民銀行が、人民元の対ドル基準値を2日連続で大幅に切り下げると発表しました。これは、中国経済の減速や輸出競争力の低下に対応するための措置でしたが、世界的な通貨安競争や資本流出の懸念を高めましたこのような危機やショックに、日経平均株価は大きく下落しました。
また、日本株の動きに大きな影響力を持つ海外投資家の売買動向も、8月から9月にかけては買い越し額が少なくなり、売り越しになっていく傾向があります。同様に、米国のダウ工業株30種平均も、8月から9月にかけて下げやすい傾向がみられます。
8月の株式市場の特徴は、市場参加者の減少や危機発生の可能性、海外投資家や米国株の動向などによって、下落しやすい傾向があると言えます。ただし、これらは過去の統計的な傾向であり、必ずしも未来を予測するものではありません。株式投資は自己責任で行う必要がありますのでご注意ください。
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