「幻のSQ」とは、日経平均株価がSQ(特別清算指数)日において、そのSQ値に一度もタッチしないことを指します。通常、SQ値は日経平均株価をもとに算出されるため、日経平均株価はSQ値の価格にタッチする場合がほとんどですが、幻のSQではSQ値と日経平均株価との間に価格差が生まれます。
この現象が起きる理由としては、個別銘柄がストップ高やストップ安になることが挙げられます。日経平均株価は全銘柄が出そろわなくても前日の終値を使って算出されますが、SQ値は全銘柄が出そろうまで算出されません。そのため、価格差が生じて幻のSQが発生します。
「幻のSQ」が発生すると、日経平均株価とSQ値の位置関係によって、その後の市場の動向を予測することができます。
上に幻のSQ:
日経平均株価がSQ値よりも低い状態で、1日を通してSQ値に届かなかった場合。
この場合、今後の相場が弱くなる可能性があると考えられます。
下に幻のSQ:
日経平均株価がSQ値よりも高い状態で、1日を通してSQ値を下回らなかった場合。
この場合、今後の相場が強くなる可能性があると考えられます。
また、幻のSQが発生した場合、相場のボラティリティ(価格変動の激しさ)が高まることが多く、投資家にとっては注意が必要です。幻のSQが出た後の相場は、普段よりも不安定になることがあるため、慎重な取引が求められます。
過去に「幻のSQ」が発生した例は、いくつかあります。
例えば、2014年から2023年の間に36回の「幻のSQ」が発生しました1。そのうち、23回は「上に幻のSQ」、13回は「下に幻のSQ」でした。
「上に幻のSQ」が発生した場合、翌週の日経平均株価は弱くなる傾向がありましたが、必ずしもそうなるわけではありません。一方、「下に幻のSQ」が発生した場合、翌週の日経平均株価は強くなる傾向がありましたが、こちらも必ずしもそうなるわけではありません。
「幻のSQ」が発生する局面では、相場のボラティリティが高まりやすく、値動きが不安定になることが多いです1。そのため、投資家は慎重な取引が求められます。
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